日本ソフトウェア科学会 第42回大会講演論文集

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日本ソフトウェア科学会 編

2025年9月3日~9月5日 東海大学 品川キャンパス

プログラミング言語の設計と実装 | 形式的体系 | ディペンダビリティとマルチエージェント | プログラム検証 | AIとソフトウェア開発 | ソフトウェア実装 | プログラム基礎理論 | AI応用システム | 実践的プログラミング教育 | メモリ管理 | テストとバグ予測 | 体験学習と生成AIによる教育支援 | プログラム生成 | エラー・バグ発見 | 可視化・支援 | 型システム | 支援環境とエラー分析 | 認識・支援 | デモ・ポスター発表セッション

基調講演

現場に根差したツール研究 プログラミング、IoT、音楽動画からアニメまで
加藤 淳
(産総研)

概要: Human-Computer Interaction (HCI) 研究はしばしば「場当たり的で一般性に欠ける」と批判されますが、本当でしょうか? この講演では、コンテンツ産業向け応用を中心に豊富な研究事例を引き、generalizability(一般化可能性)と generality(学問的普遍性)という二種類の「一般性」を区別します。そして、一般化可能性だけにとらわれず学問的普遍性をめざすことの大切さ、創造的な現場に根差したツール研究を通して文化的背景まで見えてくる楽しさを紹介します。

LLM-jp/NII-LLMC: Team ScienceとしてのLLM研究開発
黒橋 禎夫
(NII)

概要: 2023年5月に発足したLLM-jp、この成果を発展させ2024年4月に発足したNII-LLMC(国立情報学研究所 大規模言語モデル研究開発センター)では、産学官の力を結集し、生成AIモデルに関する研究力・開発力醸成のための環境整備および、生成AIモデルの透明性・信頼性の確保、学習原理の解明等を目指した研究開発を行っている。本講演ではその活動の概要を紹介する。

基礎研究賞講演

知識表現・推論と機械学習の融合によるAI
井上 克巳
(NII)

概要: 推論は人間の知性の中心であり、説明・予測・問題解決・行動決定に用いられる。推論には論理的に正しい演繹だけでなく、不確実ながらもっともらしい結論を得るものもある。講演者は40年以上にわたり、こうした推論の仕組みを解明し自動化する研究を行ってきた。従来のAIにおける推論研究では知識が推論に使えるよう記号表現されていることを仮定していたが、現実には外界からの認識や経験からの学習により知識が獲得・表現される必要があり、機械学習と知識表現・推論の結合が必要となる。本講演では、講演者らが近年研究してきた代数的アプローチによる数値計算を用いた論理プログラミングを中心に、最近注目されているニューロシンボリックAIとの関連についても述べる。

業績賞講演

なぜ作り、なぜ続けたか –ビスケットの22年–
原田 康徳
(デジタルポケット)

概要: 私が学生時代、人間に使いやすいプログラミング言語の研究をしていた頃、北海道大学の赤間先生に「これからはコンピュータがプログラムを作る時代が来る」と言われました。10数年後、そんな未来に子供達には何が必要かを考え、ビスケットを開発し、普及させる活動を続けてきました。今、本当にその時代を迎え、「もうプログラミング教育は不要だ」といった声も聞こえ始めてます。この時代を予測できなかった人たちのプログラミング教育は確かに役割を見出せないかもしれません。では、私たちはどうすべきでしょうか。

大会企画講話

AI時代におけるプログラム検証技術の行方
小林 直樹
(東京大学)

概要: 重要な社会基盤の多くがコンピュータによって制御されている今日、ソフトウェアの信頼性がこれまで以上に重要になっています。そのため講演者は過去10年以上にわたってプログラムの自動検証の研究に取り組んできましたが、近年のAI技術の進歩によってソフトウェアが質・量ともに大きく変化してきており、研究の方向性の再検討が必要になっています。本講演では、講演者らによる最近のプログラム検証の研究に触れながら、AI技術がもたらす問題と可能性について議論したいと思います。


プログラミング言語の設計と実装

[1a-1-R] 逆微分圏に基づいたアローハンドラによるニューラルネットワークプログラミング言語に向けて

眞田 嵩大
(福井県立大学)
平井 謙信
(京都大学)
星野 恵佑
(京都大学)
勝股 審也
(京都産業大学)

[1a-2-R] JavaScriptにおけるmulti-shot Effect Handlerのジェネレータベース実装の試み

武樋 一樹
(東京大学)
山崎 徹郎
(東京大学)
千葉 滋
(東京大学)

[1a-3-T] Evolution Language Framework for Persistent Objects(トップカンファレンス・トップ論文誌特別講演)

Tetsuo Kamina
(Oita University)
Tomoyuki Aotani
(Sanyo-Onoda City University)
Hidehiko Masuhara
(Tokyo Institute of Technology)

出典:The Art, Science, and Engineering of Programming, 2025, Vol. 10, Issue 1, Article 12. https://doi.org/10.22152/programming-journal.org/2025/10/12

形式的体系

[1b-1-R] Admissibility of substitution rules in cyclic-proof systems

Kenji Saotome
(Nagoya University)
Koji Nakazawa
(Nagoya University)

[1b-2-R] 循環ラムダ計算と計算可能解析

木村 大輔
(東邦大学)
中澤 巧爾
(名古屋大学)

[1b-3-R] 非消去かつ非消滅な組合せ子に対する逆書き換えの停止性と合流性

岩見 宗弘
(岩手県立大学)

ディペンダビリティとマルチエージェント

[1c-1-R] Fault Detection in Byzantine Consensus Protocols through Message Inconsistencies

Yuki Nishimaru
(University of Tsukuba)
Koji Noshiro
(University of Tsukuba)
Koji Hasebe
(University of Tsukuba)

[1c-2-R] Byzantine Fault-Tolerant Algorithms for Solving Distributed Constraint Optimization Problems

Koji Noshiro
(University of Tsukuba)
Koji Hasebe
(University of Tsukuba)

[1c-3-R] 競争的ピックアップ・アンド・デリバリー問題に対する強化学習アルゴリズムの評価

築山 凜太朗
(筑波大学)
野城 滉司
(筑波大学)
長谷部 浩二
(筑波大学)

プログラム検証

[2a-1-R] Owicki--Gries Logic for Timestamp Semantics

Tatsuya Abe
(Chiba Institute of Technology)

[2a-2-R] Ranking and Invariants for Lower-Bound Inference in Quantitative Verification of Probabilistic Programs

Satoshi Kura
(Waseda University)
Hiroshi Unno
(Tohoku University)
Takeshi Tsukada
(Chiba University)

[2a-3-T] A Primal-Dual Perspective on Program Verification Algorithms(トップカンファレンス・トップ論文誌特別講演)

Takeshi Tsukada
(Chiba University)
Hiroshi Unno
(Tohoku University)
Oded Padon
(Weizmann Institute of Science)
Sharon Shoham
(Tel Aviv University)

出典:Proceedings of the ACM on Programming Languages, Volume 9, Issue POPL, Article No.: 68, Pages 2025 - 2056.https://doi.org/10.1145/3704904

AIとソフトウェア開発

[2b-1-R] RAG活用促進に向けた継続利用者の検索ログ解析

羽田野 公輝
(ライオン株式会社)
藤原 優一
(ライオン株式会社)
百合 祐樹
(ライオン株式会社)
菅野 浩
(ライオン株式会社)
對馬 啓
(ライオン株式会社)
渡部 草太
(ライオン株式会社)

[2b-2-R] Towards Combining Natural-language Instructions With Programming

Yugu Xie
(The University of Tokyo)
Feng Dai
(The University of Tokyo)
Tetsuro Yamazaki
(The University of Tokyo)
Shigeru Chiba
(The University of Tokyo)

[2b-3-R] スコープが広い変数と関連処理の理解支援における説明生成手法の提案

川隅 蓮
(株式会社東芝)
渡辺 友樹
(株式会社東芝)

ソフトウェア実装

[2c-1-R] 高い保守性と可搬性を有する情報工学演習基盤システムのコンテナオーケストレーションによる実現

上野 雄大
(新潟大学)
萩原 威志
(新潟大学)
宇川 美穂
(新潟大学)

[2c-2-R] Copager: Rustによる組み込み型パーサジェネレータ

中神 悠太
(筑波大学)
中井 央
(筑波大学)
三宮 秀次
(筑波大学)

[2c-3-R] Web フロントエンド開発のためのブラウザ上で動く言語ランタイムの一実装方式

野牧 樹
(筑波大学)
中井 央
(筑波大学)
三宮 秀次
(筑波大学)

[2c-4-R] WebAssemblyインタプリタを対象としたランタイム実装中立なチェックポイント・レストア機構

藤井 大悟
(公立はこだて未来大学)
松原 克弥
(公立はこだて未来大学)
中田 裕貴
(さくらインターネット株式会社)

プログラム基礎理論

[3a-1-R] ブーリアン・グレブナー基底を用いた集合制約解消による関数型並行分散プログラムの幾何的整合性検査

西村 進
(京都大学)

[3a-2-R] 部分性または非決定性を許すモノイドの別表現の発見

都留 海人
(神奈川大学)
西澤 弘毅
(神奈川大学)

[3a-3-R] 定理証明支援系による曲線の定性表現手法の形式化と証明

高橋 和子
(関西学院大学)
山下 拓真
(proof ninja)
今井 宜洋
(proof ninja)

AI応用システム

[3b-1-R] 天気データを説明変数として追加したアトラクション待ち時間予測の精度検証

木下 将磨
(日本大学)
五味 悠一郎
(日本大学)

[3b-2-I] LLMエージェントによる文書間の影響波及分析と改版提案の試み(MLSE招待発表)

中川 尊雄
(富士通株式会社)
外川 太郎
(富士通株式会社)
徳井 翔梧
(富士通株式会社)
宮崎 桂輔
(富士通株式会社)
徳本 晋
(富士通株式会社)

[3b-3-T] Repairs and Breaks Prediction for Deep Neural Networks(トップカンファレンス・トップ論文誌特別講演)

Yuta Ishimoto
(Kyushu University)
Masanari Kondo
(Kyushu University)
Lei Ma
(The University of Tokyo / University of Alberta)
Naoyasu Ubayashi
(Waseda University)
Yasutaka Kamei
(Kyushu University)

出典:ACM Transactions on Software Engineering and Methodology, Volume 34, Issue 4, Article No.: 94, Pages 1 - 42. https://doi.org/10.1145/3702983

実践的プログラミング教育

[3c-1-R] 配列の未アクセス要素可視化による潜在バグ発見支援ツールの提案

金谷 葵
(日本工業大学)
橋浦 弘明
(日本工業大学)

[3c-2-R] SQLプログラミング学習における表操作の実体験に向けた画面設計

常次 梓馬
(大阪工業大学)
福安 直樹
(大阪工業大学)

[3c-3-R] 訓練用標的型メール配信システムへの添付ファイル機能および配信制御機能の実装

山口 智誠
(日本大学)
五味 悠一郎
(日本大学)

メモリ管理

[4a-1-R] A Roll Call of Garbage Collection Guards: Static Analysis for Detecting Missing RB GC GUARD in CRuby

Zhijie Xie
(Institute of Science Tokyo)
Hidehiko Masuhara
(Institute of Science Tokyo)
Koichi Sasada
(STORES, Inc.)

[4a-2-R] 参照をロードしたコード位置によるオブジェクトのアクセスパターンの予測

岩渕 尚紀
(東京大学)
鵜川 始陽
(東京大学)

[4a-3-R] Reduction of Memory Footprint by Sharing Libraries among Wasm Processes in Multi-Access Edge Computing Environments

Yudi Wu
(The University of Tokyo)
Tomoharu Ugawa
(The University of Tokyo)

[4a-4-R] Porting System Software to CHERI: Lessons from Porting CRuby

Hanhaotian Liu
(The University of Tokyo)
Tomoharu Ugawa
(The University of Tokyo)

テストとバグ予測

[4b-1-R] テストスクリプトに対するミューテーションと画面遷移の比較に基づいたWebアプリケーション異常系テスト支援手法の提案

山下 智也
(愛媛大学)
阿萬 裕久
(愛媛大学)
川原 稔
(愛媛大学)

[4b-2-R] 製品コードのバグ混入予測に向けたテストコードの影響に関する定量分析

大西 真輝
(愛媛大学)
阿萬 裕久
(愛媛大学)
川原 稔
(愛媛大学)

[4b-3-R] ベイズ更新を活用したバグ限局の有効性に関する考察

佐野 一樹
(愛媛大学)
阿萬 裕久
(愛媛大学)
川原 稔
(愛媛大学)

体験学習と生成AIによる教育支援

[4c-1-R] 小学生向けハッカソンにおけるチーム開発体験がモチベーションに与える影響と学習支援システムの設計

佐々木 大聖
(公立はこだて未来大学大学)
伊藤 恵
(公立はこだて未来大学大学)

[4c-2-R] ミニアプリ開発における応用力向上を目指したミニアプリ開発補助教材の作成と検証

梅田 将志
(日本大学)
五味 悠一郎
(日本大学)

[4c-3-R] RAG統合型LLMチャットボットとLLM単独型チャットボットの授業支援における有用性の比較

足立 空蒼
(大阪工業大学)
本田 澄
(大阪工業大学)

[4c-4-R] 生成AIを用いたPBLシミュレータの提案と試作

留目 健太
(公立はこだて未来大学)
伊藤 恵
(公立はこだて未来大学)

プログラム生成

[5a-1-R] Recursive function synthesis based on structural relationships

Junyu Lin
(The University of Tokyo)
Akimasa Morihata
(The University of Tokyo)

[5a-2-R] Fusion for Metaprogramming: Eliminating Intermediate Programs in Code Generation and Analysis

Zhangfan Li
(University of Tsukuba)
Yukiyoshi Kameyama
(University of Tsukuba)

エラー・バグ発見

[5b-1-R] Detecting cross-language bugs in large-scale multiple language projects

Shengyang Li
(Keio University)
Kenji Kono
(Keio University)

[5b-2-R] あるトークンを消費した構文規則番号に基づく構文木の安定性および IDE によるエラー報告の改善

岩田 風多
(東京大学)
山崎 徹郎
(東京大学)
千葉 滋
(東京大学)

可視化・支援

[5c-1-R] クラスタリングされたヒートマップと折れ線グラフによる時差のあるデータの可視化

遠藤 麗香
(法政大学)
細部 博史
(法政大学)

[5c-2-R] AI分析で格闘ゲームのプレイヤスキルの改善を促すシステムの開発

井田 和樹
(公立はこだて未来大学)
伊藤 恵
(公立はこだて未来大学)

型システム

[6a-1-R] 漸進的借用検査を導入したRust言語処理系の検討

両角 颯
(東京大学)
山崎 徹郎
(東京大学)
千葉 滋
(東京大学)

[6a-2-R] 動的型推論を備えた空間効率の良い漸進的型付け

大志万 優生
(京都大学)
関山 太朗
(国立情報学研究所)
五十嵐 淳
(京都大学)

[6a-3-R] Unifying Function- and Argument-First Bidirectional Type Systems

Takuma Yoshioka
(Kyoto University)
, Taro Sekiyama
(National Institute of Informatics)
Atsushi Igarashi
(Kyoto University)

支援環境とエラー分析

[6b-1-R] モデリング初学者の行き詰まりを解消するためのクラス図に対する定期的なフィードバック手法

齊藤 悠太
(日本工業大学)
田中 昂文
(玉川大学)
櫨山 淳雄
(東京学芸大学)
橋浦 弘明
(日本工業大学)

[6b-2-R] 病理診断ガイドアプリケーション用マスタデータ作成支援システムの修正コメント機能の実装

小田川 穂香
(日本大学)
中西 陽子
(日本大学)
飯田 由子
(日本大学)
尾上 洋介
(日本大学)
五味 悠一郎
(日本大学)

[6b-3-T] An Empirical Study of the Error Characteristics in an Online Judge System(トップカンファレンス・トップ論文誌特別講演)

Shota Shimizu
(Ritsumeikan University)
Erina Makihara
(Ritsumeikan University)
Norihiro Yoshida
(Ritsumeikan University)

出典:FSE Companion '25: Proceedings of the 33rd ACM International Conference on the Foundations of Software Engineering, Pages 711 - 721. https://doi.org/10.1145/3696630.3727228

認識・支援

[6c-1-R] SAMとOSMによる航空写真から緑地に適した建物の抽出手法の提案

湯浅 拓海
(東京都立産業技術大学院大学)
久永 哲也
(東京都立産業技術大学院大学)
田中 佐祐美
(東京都立産業技術大学院大学)
細川 空良
(東京都立産業技術大学院大学)
飛田 博章
(東京都立産業技術大学院大学)

[6c-2-R] 類似出題解消機能と解答選択肢入替機能を実装したSocial Based Testing(SBT)における学習効果の検証

宗像 浩輝
(日本大学)
五味 悠一郎
(日本大学)

デモ・ポスター発表セッション

[1-P] Systematic Parameter Decision in Approximate Model Counting

Jinping Lei, Toru Takisaka, Junqiang Peng, Mingyu Xiao
(University of Electronic Science and Technology of China)

概要: This paper proposes a novel approach to determining the internal parameters of the hashing-based approximate model counting algorithm \mathsf{ApproxMC}. In this problem, the chosen parameter values must ensure that \mathsf{ApproxMC} is Probably Approximately Correct (PAC), while also making it as efficient as possible. The existing approach to this problem relies on heuristics; in this paper, we solve this problem by formulating it as an optimization problem that arises from generalizing \mathsf{ApproxMC}'s correctness proof to arbitrary parameter values. Our approach separates the concerns of algorithm soundness and optimality, allowing us to address the former without the need for repetitive case-by-case argumentation, while establishing a clear framework for the latter. Furthermore, after reduction, the resulting optimization problem takes on an exceptionally simple form, enabling the use of a basic search algorithm and providing insight into how parameter values affect algorithm performance. Experimental results demonstrate that our optimized parameters improve the runtime performance of the latest \mathsf{ApproxMC} by a factor of 1.6 to 2.4, depending on the error tolerance.

[2-P] A Roll Call of Garbage Collection Guards: in Case of Static Analysis for the C implementation of Ruby

Zhijie Xie, Hidehiko Masuhara
(Institute of Science Tokyo)
Koichi Sasada
(STORES, Inc.)

概要: C implementations of garbage-collected languages require careful pointer manipulations. For example, the C implementation of Ruby (CRuby) needs to call a guard macro in order to guarantee validity of a pointer. This manual call of the guard macro is error-prone, and there have been many bugs and potential performance degradation due to lack of or unnecessary guard macro calls. This research proposes a static analysis technique that automatically detects missing and unnecessary guard macro calls. Our approach first formalizes the condition when we need to insert a guard macro call, then implements the condition as a CodeQL query, and finally test the query against the CRuby codebase to see the accuracy of the query with respect to the current implementation.

[3-P] From Game Logic to Logic Programming

Rose Bohrer
(AIST)

概要: Game logic is a modal logic of programs with a turn-taking operation, which allows programs to model two-player games. From my prior work, I present the Curry-Howard Isomorphism for Games, which interprets game logic proofs as programs. Specifically, proofs are understood as correct, executable winning strategies for games. I then present in-progress work to create Game Logic Programming, a logic programming language based on game logic. Challenges include invariant generation and synthesizing programs for winning strategies. Initial progress includes translating the logic-programming concepts of hereditary Harrop formulas to the game logic context. I will present the expected applications to encourage discussion. Initial applications include pursuit-evasion games for computer security and generation of creative content for games and art.

[4-P] 帰納的非定理を利用した条件付き項書き換えシステムの実行不能性証明法の提案

石田 晃巳, 青戸 等人
(新潟大)

概要: 等式論理に基づく計算モデルとして項書き換えシステム(TRS)がある.TRSの拡張として,書き換え規則に条件の付与を許した条件付き項書き換えシステム(CTRS)が知られている.CTRSの合流性解析における重要な性質として実行不能性がある.実行不能性を自動証明する手法として,現在一番強力なものが,第一階述語論理におけるモデル生成器を利用する手法であり,モデル生成器AGESを利用した実行不能性自動証明ツールInfCheckerで実装されている.本発表では,AGESに与えることができる入力仕様やパラメータを検証し,AGESではモデルを発見できず,実行不能性の検証に失敗してしまう例を報告する.さらにこれらの例に着目し,これらの例の実行不能性検証が可能な,新しい実行不能性証明手法を提案する.提案手法では帰納的非定理という概念を導入し,これと帰納的定理を組み合わせることにより実行不能性を検証する.

[5-P] 条件付き項書き換えシステムの実行不能性検証のための第一階述語論理のモデル生成器の開発に向けて

滝沢 晴輝, 青戸 等人
(新潟大)

概要: 条件付き書き換え規則に基づく計算モデルとして条件付き項書き換えシステム(CTRS)がある. CTRSにおける合流性検証に利用するために, 実行不能性の自動検証法が研究されている(Gutierrez and Lucas, 2020). この手法ではCTRSの書き換え関係を第一階述語論理で符号化し, モデル生成器のMace4とAGESを用いて実行不能性を検証している. しかし, Mace4は有限モデルしか生成できず, AGESは線形多項式による整数上の解釈に基づくため, 発見できるモデルに制限がある. 本発表では, Mace4とAGESのモデル生成能力の比較検証を行い, 両者のモデル生成能力の違いを明らかにする. そして両者の手法を実行不能性検証において有効に活用するために, 有限モデルを持たないための十分条件を先に検証し, その結果によって両者の手法を使い分けるモデル生成戦略を提案する. 提案手法に基づくモデル生成器の開発状況について報告する.

[6-P] Copager: Rustによる組み込み型パーサジェネレータ

中神 悠太, 中井 央, 三宮 秀次
(筑波大)

概要: Copagerは我々が開発しているRust製の組み込み型パーサジェネレータ(LR)である. Copagerは「Rustプログラム上で全てが完結する,Rustプログラマにとって親和性の高いツール」をコンセプトとし,以下の三つの特徴を持つ. 第一に,字句や文法規則をRustの列挙型により直接定義し,パーサ生成の全操作をプログラム上で完結できる. 第二に,アクションを排して後続処理と完全に分離,すなわち定義と付随する動作を分離することで,文法定義の再利用性や保守性を高めている. 第三に,利用者は構文解析アルゴリズム等を自由に差し替え,生成するパーサの構成をカスタマイズ可能としている. 実際の開発プロジェクトへの適用を通じてその実用性を検証し,開発効率の向上に貢献することを確認した. 本発表では,Copagerを用いた実際の言語処理系の開発についてデモを行う.

[7-P] VR上での直感的理解を目指した実験体験ツールの開発

野上 宗真, 松本 凌悟, 齊藤 弘樹, 佐藤 未来子, 渡辺 晴美
(東海大)

概要: 本研究では、VR上でインタラクティブな操作を行うことで実験による体験型学習を容易にすることに貢献する。実験学習は、効果的な体験型の学習であるが、場所、安全性や費用的な面などから実験は常に可能ではない。本研究では、化学の炎色反応の実験に着目する。炎色反応は、物質によっては、危険で高価になる場合があるため、家庭では実施できない。さらに、実験で学習する内容や方法は複雑であり、事前準備が多く、容易ではない。これらの問題を解決するために、VR内で化学実験を体験するシステムを提案する。デモンストレーションでは、VR空間内での実験の様子を紹介する。

[8-P] 集合論的型を備えた漸進的型付き計算に対する多段階計算の導入

矢口 紘人, 亀山 幸義
(筑波大)

概要: 漸進的型付けは、静的型付けと動的型付けを組み合わせて柔軟な型付けを可能にする体系であり、使用者が双方の利点を享受できる。加えて集合論的型と漸進的型付けを組み合わせることにより、動的型と静的型の移行をより精密に行うことができる等の利点がある。また、多段階計算はメタプログラミングの手法であり型安全なコードの生成を行うことのできるが、型に実行段階の情報を含むため主に静的型付けの言語を対象としている。 本研究ではCastagnaらの集合論的型を備えた漸進的型付けの体系に対して多段階計算を導入し、より柔軟で精密な型付けが可能な多段階計算の体系を提案する。型安全なコード生成ができ、集合論的型を扱える漸進的型システムとキャスト計算への変換等を定義するほか、精密な型付けが可能な例として型による分岐の処理のプログラムに対する型付けを示す。

[9-P] エフェクトハンドラを用いた動的負荷分散機構の実装手法

片桐 健人, 小宮 常康
(電気通信大)

概要: 樹状再帰的な計算に対する動的負荷分散は、実行時にプログラムの継続を盗むことによって実現される。LTCやTascellなどの既存の実装は、継続を盗むために、制御スタックのコピーや拡張機能の使用など処理系依存の低レベルな記述を必要としている。そこで本研究では、高級言語レベルで比較的移植性の高い動的負荷分散の実装を提案する。その手法としてエフェクトハンドラを用いる。エフェクトハンドラはプログラムのエフェクトを統一的に扱う先進的な言語機能であり、継続を第一級値として扱うという特徴がある。このエフェクトハンドラによって提供される継続を利用して動的負荷分散を実装する。また、エフェクトハンドラはOcamlやKoka、C言語ライブラリ等で実装されているが、動的負荷分散を実行する際に生じる性能低下の要因や言語の違いによる性能差の調査などを行い、既存の動的負荷分散実装と比較可能な性能を目標とする。

[10-P] Rocq上のスマートコントラクト検証フレームワークConCertの時相論理CTLによる拡張

諸冨 速人, 西田 雄気
(東北大)

概要: ブロックチェーン上で動作するプログラムをスマートコントラクトと呼ぶ.ConCert [Annenkov et al. 2020] はスマートコントラクト実行システムの定理証明支援系Rocq上での形式化である. Rocq上で, スマートコントラクトの実装を再現し, その仕様をRocqの命題として記述し, 証明することで検証できる. 本研究では, 時間に関する性質を記述可能な時相論理の一種であるCTL (computation tree logic) を用いることで, 仕様を体系的に記述し, 検証することを目指す. 発表では, Rocq上でDSLとして定義したCTL表記を用いた仕様記述の紹介とLiveness といった多様な時間に関する性質を扱うにあたって浮かび上がった, 現状のConCertの形式化の問題点と解決案を紹介する.

[11-P] 高い保守性と可搬性を有する情報工学演習基盤システムのコンテナオーケストレーションによる実現

上野 雄大, 萩原 威志, 宇川 美穂
(新潟大)

概要: 新潟大学工学部工学科知能情報システムプログラムでは,計算機リテラシ,プログラミング,データ工学,および学生実験などの演習を伴う学部生向け授業において,各授業に特化した演習環境を多数の学生に統一的に提供するために,コンテナオーケストレーション技術を応用した独自のシステムを構築し運用している.大学における演習システムの運用には,システム運用に興味はないが授業ごとに必要なソフトウェアは選びたい授業担当教員の思惑,学生が何か危ういことを起こしてしまうかもしれないセキュリティー上の懸念,および適切にアカウントを管理すると共に常にシステムを最新に保たなければならない管理者の義務が交錯する.その調停のため,演習システムの運用管理には,システムとは無関係なところで多大な人的コストが発生する.このコストを削減しながら,教員および学生の両方の要望に応えることが,本学で演習システムを運用する上での最大の課題であった.本システムでは,コンテナによる仮想化技術を演習システム全体の構成に適用することで,これら3つの思惑を自然に分離し,運用コストを最小化しながら高い可搬性と安全性を達成した.本論文では,演習システムに対する要求定義を分析した上で,コンテナ技術がそれら要求を柔軟に解決する基礎となることを論じる.本システムの設計選択および基本的なシステム構成は,この議論から自ずと導かれる.さらに,本システムの本学での運用を報告する.

[12-P] Vexa: Automated Configuration-to-Code Synthesis for Demand-Driven State Management in Vue Applications

Yizhi Mei, Tetsuo Kamina
(大分大)

概要: As modern Vue applications grow in complexity, managing the relationship between components and Vuex modules often requires cumbersome manual coordination. To address this challenge, we present Vexa (Vue External Expression Architect), a framework that introduces a configuration-driven development (CDD) approach to state management. Vexa enables automatic and on-demand loading of Vuex modules while providing transparent access to external data whose state is managed by those modules, and reduces manual development overhead through declarative design. By abstracting application dependencies into structured YAML configurations, Vexa performs dual-target code generation to produce both Vue components and Vuex store modules. This not only improves maintainability, but also ensures consistency between UI components and state logic. This work offers two primary contributions. First, it introduces an arcofhitectural innovation that extends traditional lazy loading by incorporating lifecycle-aware module orchestration. Vuex modules are dynamically registered and unregistered on the basis of component usage, significantly optimizing resource consumption and initial load performance, while allowing persistent external data being managed by Vuex modules. Second, it proposes a technical concept of YAML-driven semantic templating, enabling automated generation of type-safe modules and eliminating human error in state integration to a certain extent.

[13-P] 行動変容を誘導するIoTゲームの試作

Kim Juhyun, 佐藤 未来子, 渡辺 晴美
(東海大)

概要: ゲーミフィケーションが現実世界の行動に影響を与える可能性があることが知られており、学習アプリなどに応用されている。従って行動への変更とゲーミフィケーションの関係を明らかにすることで、行動変容を誘導するソフトウェアの開発支援が期待できる。本研究では、節電行動を促進するためのIOTゲームを試作し、ゲーミフィケーションと行動変容の関係について分析する。

[14-P] インタラクティブシステムのための音源合成に向けた簡易シンセサイザー

足立 暖仁, 尾中 遼太郎, 井柳 利功, 佐藤 未来子, 渡辺 晴美
(東海大)

概要: 本研究では、段階的に音源合成を理解するためのユーザ体験型の支援ツールを提案する。 音響に関する教育や、作曲者支援に貢献することを目的としている。 インタラクティブシステムでは、音が重要であるが、想像した通りに合成することは容易ではない。 例えば一般的なシンセサイザーでは、波形、ADSRエンベロープ、フィルタ特性などの音色の構成要素が複雑に関係し、直感的に目的の音を作ることは難しい。 そこで、シンセサイザー内の機能を分割し、それぞれの特徴を一つ一つ体験することで、シンセサイザーにおいて直感的に音作りができるように導く手法を提案する。

[15-P] グローバルPBLによるデジタルツイン学習教材の開発

松田 敬斗, 村松 京弥, 遠藤 翔瑛, 山下 岳, 佐藤 未来子, 渡辺 晴美
(東海大)

概要:  DX時代のサービス開発には多様性と国際性が不可欠である.また,ロボットなどを制御する学習では実装と検証の体験が重要だが,実機にはコストや安全性の制約が存在する.本教材は,グローバルPBLを通じてデジタルツインを学習できる教材の実現を目指すものである.  本教材では,タイの学生とのPBLを実施し,アジャイル開発,デザイン思考,モデル駆動に基づき開発を行う.学生が教材開発に参画することで,システム開発やグローバル教育の課題や難しさを理解できるようにする.デモンストレーションでは,学生が開発した「Hakoniwaドローン」を用いたシミュレーションを紹介する.Python  APIにより仮想環境内でのドローンを制御し,物理法則に基づく挙動を確認できる.今後は,開発したプログラムをMAVLinkやMCPなどのプロトコルを用いて実機に適用する.これらを通じて,DX時代に求められる実践的な技術力を養い,教育の発展への貢献を図る.

[16-P] WebAssemblyを対象とした基本ブロックバージョニング方式JITコンパイラ

古賀 壮, 小宮 常康
(電気通信大)

概要: Webブラウザ上では、ネイティブにサポートされているJavaScriptを高速に実行することができる。また、WebAssemblyの登場によってC/C++のような静的型付け言語も高速に実行できるようになった。しかし、JavaScript以外の動的型付け言語を高速に実行する良い設計法は確立されていない。そこで本研究では、動的型付け言語を高速に実行する際に有用である基本ブロックバージョニング方式の実行時コンパイラを、WebAssembly上で実現する。しかし、機械語と比べ制約の多いWebAssembly上で基本ブロックバージョニングの手法をそのまま適用することは難しい。例えばWebAssemblyにはジャンプ命令が存在しないため、オーバーヘッドの大きい末尾関数呼び出し命令を使わなければならない。このような問題をコンパイル粒度に着目して解決することを目指している。

[17-P] べき集合クオンテールと形式空間の間の随伴について

林 騰, 西澤 弘毅
(神奈川大)

概要:  代数系と位相空間の対応関係の一例として、ブール代数の圏とストーン空間の圏との間に成り立つストーン双対性が知られている。この双対性の構成には、ストーンの表現定理が重要な役割を果たしている。既存の研究では、べき集合クオンテールに対しても関係的表現定理が証明されているが、これをストーン双対性へと拡張するためには、べき集合クオンテールと位相空間との関係を予め明らかにする必要がある。  本研究では、べき集合クオンテールを対象とする圏 PQt を用い、圏の pullback  によって位相空間の一般化とみなせる形式空間を5種類構成した。特に、集合の圏からべき集合クオンテールの圏へのべき集合反変関手を用いて得られる形式空間の圏と  PQt との間に随伴関手が存在するかどうかについて報告する。

[18-P] ドローン開発のためのデジタルプラットフォームに向けたHakoniwa-3Dエディタの試作

上杉 亮太, 佐藤 未来子, 渡辺 晴美
(東海大)

概要: Hakoniwaは、ドローンの実機特性を反映したシミュレーション環境を提供するプラットフォームであり、デジタルツインの実現に向けた技術基盤の一つとされている。本研究では、デジタルツインの活用を念頭に置きつつ、保守および運用が並行して行われる開発においてCI/CDを適用可能な開発基盤の構築を目的とする。その一環として、3Dシミュレーション環境の動的な観察および編集を実現する「Hakoniwa-3Dエディタ」を試作した。本成果は、Hakoniwaを基盤としたシミュレーションプラットフォームの実現に貢献する。

[19-P] 既存処理系の最適化との相性を考慮したエフェクトハンドラ実装に関する研究

伊藤 謙太朗, 小宮 常康
(電気通信大)

概要: エフェクトハンドラとは、様々な計算効果を抽象化できる言語機構である。愚直な実装では実行時にコストがかかるため、さまざまな最適化手法が研究されている。エフェクトハンドラの実装方法の一つに、エフェクトハンドラを持つ言語をエフェクトハンドラを持たない高級言語に変換し、変換後のプログラムを従来通りの手法でコンパイルする手法がある。この手法には、実装が比較的簡単であることや、変換後のプログラムに従来通りの最適化を適用できることなどの利点がある。中でもSchusterら[2020]が提案した、継続モナドを用いたレキシカルエフェクトハンドラの実装手法は、最適化をしない処理系の上で実行した場合のパフォーマンスはあまり良くないが、強力な最適化を行う処理系の上では従来手法と比べて高いパフォーマンスを発揮する。しかし、なぜ最適化との相性が良いのか、どのような最適化が効果的に働いているのかなどについては明らかになっていない。本研究では、これを明らかにし、さらに、Schusterらの手法の利点を動的スコープのエフェクトハンドラにも応用する方法を検討する。

[20-P] バイナリファイル介在型双方向変換による関係・NoSQL データベース間データ連携効率化に向けた研究

崔 起運, 日高 宗一郎
(法政大学)

概要: 情報システム間の相互運用の需要が高まる中、関係データベース(RDB)・NoSQLDB間のデータ同期 は、システム協調とデータ一貫性の確保において重要である。 しかし、RDBとNoSQLDBは構造、デ ータモデル及びアクセス方式が大きく異なるため、従来手法では変換の複雑化や性能低下が懸念 される。 本研究では、同期プログラムを系統的に開発できる双方向変換(Bidirectional Transformation, BX)による両者の同期手法を構築する。 更新伝播時に意図を反映し易い PutbackベースのBX言語BiGULを用いることで、データ管理プログラムの開発効率向上が期待でき る。 更に、DBに直接格納されている形式に近いと考えられるバイナリダンプファイルにBXを適用 することで、実行効率の向上を目指す。 BiGULは推論に適した関数型言語Haskellで実装されてい るため、本研究でも同言語でバイナリファイルのBXを進めており、その経過を報告する。

[21-P] TyDeViewerの実現に向けて:式の型導出の可視化による依存型プログラミング支援

林 慶祐, 川端 英之, 弘中 哲夫
(広島市大)

概要: 我々は,依存型プログラミングをサポートするツール,TyDeViewerを開発している.TyDeViewerが目指すのは,依存型を用いて仕様や性質が書き下されたIdrisプログラムの記述や読解の強力な支援である.TyDeViewerは,プログラム中の任意の式の型およびその導出過程を描画する機能と,その機能をプログラミング中に自然に活用できる工夫されたUIを持つ.現時点のプロトタイプは,Idris LSPサーバをVS Code中で呼び出すプラグインとして実装している.

[22-P] 漸進的ソフトウェア移行に向けた多版オブジェクト機構の導入

糟谷 颯希, 田邉 裕大, 増原 英彦
(東京科学大)

概要: 漸進的移行は、関数や式単位の細粒度の移行を反復することで、ソフトウェア移行の負担軽減を図る近年の提案である。漸進的移行中のプログラムでは、新旧コードの混在が多様な実行時エラーを誘発し、既存のテスト資産の活用や移行作業そのものを阻害する。この問題に対し、既存研究はいずれも根本的な解決策を提供せず、結果として開発者は対症療法的な構文修飾や粗粒度の移行といった調整負担を強いられている。本研究では多版オブジェクトに基づく言語処理系の実装手法を提案する。多版オブジェクトは移行対象となる複数版の実装と状態を併存させ、内部状態の意味的一貫性を保つ同期機構と、文脈に応じて整合的に実装を切り替える実行時ディスパッチ機構を備える。本ポスターではPythonにおける予備的設計と実装手法について紹介する。

[23-P] Web フロントエンド開発のためのブラウザ上で動く言語ランタイムの一実装方式

野牧 樹, 中井 央, 三宮 秀次
(筑波大)

概要: Webブラウザ側で稼働するWebフロントエンドの開発における言語選択の多様性の低さは課題となっている.この課題に対し本発表では,ある言語のランタイムをブラウザ上で直接動作させることで,当該言語でのWebフロントエンド開発を可能にする新たなアプローチを提案する.本研究では,標準ライブラリをそのまま活用できることと,Webフロントエンド開発で必要となるWeb APIに透過的にアクセスできることを設計方針としている.この2つの方針を満たすためには,言語ランタイムが稼働するブラウザ上の環境であるJavaScriptおよびWebAssemblyと連携する機構が必要である.本研究では,ブラウザ上のWebAssemblyランタイム上で動作する言語ランタイムを実装するためのライブラリを,上で述べたような要件を満たすように具体的な設計と実装を行なっている.さらに,本アイデアが実際のランタイムに適用できることを示すために,このライブラリを用いてJVMを実装している.本発表では,bJVMのデモを行う.

[24-P] 歩行分析のための加速度センサデータの腰軌道特徴量の提案

板倉 佑輝, 坂口 慧, 石塚 勇気, 今村 誠
(東海大)

概要: 歩行動作は健康維持や生活習慣病の予防において重要な役割を担っており,その健康状態を適切に評価するのが大切である.しかし,従来の研究において,健康な歩行を定義するための明確な指標はまだ十分に言及されていない.本研究では,腰部加速度センサを用いて1歩ごとの重心移動に着目し,「垂直・水平方向の時間遅れ」や「脚上げ・脚下げ時の左右ブレ」など6つの特徴量を提案する.さらに,足の方向などを統制した歩行比較実験を通じて,健康的な歩行が満たすべき特徴量の仮説を検証する.最後に,日常の歩行データを用いて,健康的な歩行の判定が可能かを評価する.

[25-P] 加速度センサーによるバスケットボールにおけるフェイント動作の解析

石塚 勇気, 板倉 佑輝, 今村 誠
(東海大)

概要: 近年,IT技術を活用したスポーツ動作解析研究が盛んである.本論文では,加速度センサーを用いたバスケットボールのフェイント動作解析手法を提案する.従来は腰の速度や動作時間など粗い特徴量が用いられてきたが,本研究ではフェイント動作をフェイク,移行,切り返しの3動作に細分化し,「フェイク動作加速度」「切り返し動作加速度」「動作の緩急比」「フェイク時の重心移動量」など8特徴量を新たに提案した.その結果,「フェイク動作加速度」「フェイク動作時間」「フェイク時角加速度」が熟練者と初心者の識別に有効であることが示された.



組織委員

大会委員長:渡辺 晴美(東海大学)
運営委員長:佐藤 未来子(東海大学)
プログラム委員長:丸山 一貴 (明星大学)
プログラム副委員長:福安 直樹(大阪工業大学),横山 大作(明治大学)
ローカルアレンジメント委員長:今村 誠 (東海大学)
アンチハラスメント担当委員:佐藤 未来子(東海大学),吉田 則裕(立命館大学)
大会担当理事:吉田 則裕(立命館大学),海野 広志(東北大学)

プログラム委員

安部 達也(千葉工業大学; PPLコーディネータ)
阿萬 裕久(愛媛大学; FOSEコーディネータ)
今井 健男(ぼのたけ/国立情報学研究所; MLSEコーディネータ)
馬谷 誠二(神奈川大学; 同時投稿論文コーディネータ)
海野 広志(東北大学; 大会担当理事)
栗原 聡 (慶應義塾大学; EINコーディネータ)
小出 洋(九州大学; rePiTコーディネータ)
沢田 篤史(南山大学; ソフトウェア論文コーディネータ)
塚田 浩二(公立はこだて未来大学; ISSコーディネータ)
福安 直樹(大阪工業大学; プログラム副委員長)
前田 俊行(千葉工業大学; DSWコーディネータ)
丸山 一貴(明星大学; プログラム委員長)
横山 大作(明治大学; プログラム副委員長)
吉田 則裕(立命館大学; 大会担当理事)