表彰等
2022年度功労賞
日本ソフトウェア科学会は,これまでの学会活動に対して特に貢献が顕著と認められる会員に対し功労賞を授与し,その功績を称える制度を2004年度に設けました.
功労賞の授与は2年ごとに行いますが,第10回の選定にあたる今年度は,7月15日に開催された功労賞選定委員会の審議結果を受け,8月4日の役員審議において1名の会員に功労賞を授与することとしました.
なお,今回の功労賞選考委員会の構成は以下の通りです.
高田 広章 (委員長),大沢 英一,大堀 淳, 加藤 和彦,河野 健二,柴山 悦哉,
玉井 哲雄,萩谷 昌己,本位田 真一, 増原 英彦
功労賞受賞者
千葉 滋 氏
略歴・授賞理由
千葉 滋 氏
略歴
1991年東京大学理学部情報科学科卒.1993年同大学大学院理学系研究科情報科学専攻修士課程修了.1996年同大学大学院理学系研究科情報科学専攻博士課程単位取得退学.1996年東京大学より博士(理学)授与.1996年東京大学理学系研究科情報科学専攻助手.1997年筑波大学電子・情報工学系講師.2001年東京工業大学大学院情報理工学研究科数理・計算科学専攻講師.2003年同准教授.2008年同教授.2011年東京大学大学院情報理工学系研究科創造情報学専攻教授,現在に至る.
授賞理由
千葉滋氏は長くプログラミング言語の研究にたずさわっており,メタプログラミング機構を持つオブジェクト指向言語処理系において顕著な業績をあげている.コンパイル時自己反映計算を Java 言語に適用した Javassist は JBoss フレームワークに取り入れられており,The AITO Test of Time Winner for 2020 を受賞するなど国際的な評価も高い.ソフトウェア科学会においては,2005年から2007年までソフトウェアシステム研究会主査,2009年から2012年までプログラミング論研究会運営委員長を歴任している.また,2016年から2020年まで編集委員長としてコンピュータソフトウェア誌の刊行に尽力してきた.とりわけ,査読プロセスの電子化のため,自ら率先して査読システムの設計・開発を行なって実用に供するだけではなく,献身的に保守・運用・管理につとめてきた.査読プロセスの管理から出版社への引き渡しまでを支援する本査読システムは,コンピュータソフトウェア誌の編集に欠かせないものとなっている.
以上の通り,千葉滋氏はソフトウェア科学会に対する貢献,および本学会活動に対して特に貢献が顕著と認められる.よって本学会は同氏の功績を讃え,功労賞を授与する.